トレーニングAppのGoogleアナリティクスのトラッキングを更新する
はじめに
CourseBuilderトレーニングAppによって生成されたユーザーデータをGoogleアナリティクスを使用してトラッキングしており、トラッキングするデータにユーザー名やメールなどの個人を特定できる情報(PII)が含まれている場合は、以下の手順を実行し、GoogleアナリティクスからPIIデータを削除します。また、CourseBuilderトレーニングAppに関連付けられたGoogleアナリティクスコネクタレポートを使用したときには、Domoで作成済みのPIIデータを使用するカードを壊さないようにしなければなりません。
パート1:GoogleアナリティクスのトラッキングIDを使用してPIIを取得するトレーニングAppをインスタンスから削除する
パート1では、トレーニングAppでトラッキングしているデータにギャップがないことを確認します。なぜ以下の手順が必要になるかというと、Appにアタッチされている既存のGoogleアナリティクスApp IDはPIIをトラッキングしている可能性があり、できるだけ早くそれを停止する必要があるためです。この記事/チュートリアルの後半では、(1)PIIをトラッキングしないCourseBuilder Appの新しいGoogleアナリティクスのトラッキングIDを作成し、(2)この新しいIDをCourseBuilderのAppに追加し、(3)再公開した後に、インスタンス内にある古いIDを使用しているAppを新しいIDを使用するAppに置き換える作業を行います。
ただし、この手順を実行する前に、トレーニングAppを使用するユーザーのデータが失われないようにする必要があります。DomoインスタンスでトレーニングAppをライブで使用するときのために、ユーザーデータにギャップ生じないようにするためのオプションが2つ用意されています。いずれのオプションを選択した場合でも、更新したGoogleアナリティクスのトラッキングIDを持つAppの新しいバージョンをアップロードするまでは、CourseBuilder Appにアクセスするユーザー機能を削除しておく必要があります。
オプション1:ユーザーがトレーニングAppを使用する可能性が最も低いと思われる時間を選び、Appカードを削除し、「トレーニングAppを更新しています。更新が完了するまで少々お待ちください」などのテキストを含むメモカードに置き換えます。
オプション2:CourseBuilderアプリやインスタンスのあるページへの自分以外の全てのユーザーのアクセス権を一時的に取り消してからAppを削除し、この記事の以下の手順を全て完了した後でAppを置き換えます。
パート2:DomoStatsコネクターを使用して「PeopleStats」DataSetを作成する
パート2では、名前、タイトル、メール、その他のDomoユーザー情報とともにユーザーIDを含むDataSetを作成します。このDataSetを作成すると、ユーザーID、ユーザー名、メールなどを提供するGoogleアナリティクスDataSetを使用してDataFlowを作成できます。
GoogleアナリティクスのDataSet/レポートにはユーザー名とユーザーのメールのディメンションが含まれなくなるため、このDataSetと、最終的にはDataFlowが必要になります。必要な「PeopleStats」DataSetを作成する手順は次のとおりです。
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Data Centerに移動してCloud Dataコネクターを選択したら、DomoStatsコネクターを探して選択し、[データを取得する] を選択します。
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コネクターの設定ページで、次を実行します。
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[詳細] で、[ユーザー] を選択します。
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[スケジュール設定] で、自分のスケジュールを選択します。頻繁にユーザーを追加しない場合は、更新の間隔を長くしてください。オプションに [毎日] しか選択できない場合もあります。
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[DataSetに名前を付け、説明を入力] で、「PeopleStats_[自分のイニシャル]」のように、内容の分かる名前をDataSetに付けます。「ユーザーIDをユーザー名、メールなどに接続するDataSet」などの説明も必ず追加してください。
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[保存] を選択します。
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選択したスケジュールに基づいてDataSetが自動的に実行されない場合は、設定メニューをクリックして [今すぐ実行] を選択し、手動で実行します。
パート3:過去のGoogle Analytics DataSetをエクスポートする
パート3では、PIIデータを含むGoogleアナリティクスデータまたは将来使用するために保持しておくデータについて、カードにデータを追加するために使用している全てのデータのバックアップを作成します。GoogleアナリティクスのトラッキングID(プロパティとも呼ばれる)でPIIを既にトラッキングしている場合、GoogleアナリティクスからこのPIIを削除するには、GoogleアナリティクスのトラッキングID/プロパティを削除しなければならないため、この手順が必要になります(少なくとも、無料のGoogleアナリティクスアカウントを使用している場合、情報の削除にはこのオプションしか使用できません)。
したがって、PII Googleアナリティクスを削除し、そのGoogleアナリティクスIDに関連して収集したデータが失われないようにするには、そのIDでトラッキングしている全ての情報を保持する静的なバックアップDataSetを作成する必要があります。その後、PIIを含まないAppの新しいGoogleアナリティクスのトラッキングIDまたはプロパティ番号を作成したら、新しいGoogleアナリティクスのトラッキングIDから取得した新しいDataSetまたはレポートを、過去のGoogleアナリティクスデータと結合できます(PeopleStats DataSetも同様です)。
この過去のGoogleアナリティクスDataSetを作成するには、PIIをトラッキングするトレーニングAppに関連して作成した既存の全てのGoogleアナリティクスIDとGoogleアナリティクスレポートで、以下の手順を実行する必要があります。
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まだ実行していない場合は、Googleアナリティクスコネクターを使用して、GoogleアナリティクスのトラッキングIDまたはプロパティでトラッキングする全てのディメンションとメトリクスを含むレポートをトレーニングAppで取得します。
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Data Centerに移動して [DataSet] タブで検索し、GoogleアナリティクスDataSetまたはレポートを見つけます。検索に「タイプ」フィルターを追加すると、アクセス可能なGoogleアナリティクスから取得される全てのDataSet/レポートが返されます。
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[設定] メニューに移動して、[エクスポート] を選択します。次に、[Excel] または [CSV] のいずれかを選択します。
パート4:過去のGoogleアナリティクスデータをDomoにインポートして、過去のGoogleアナリティクスDataSetを作成します
パート4では、過去のGoogleアナリティクスデータを新しいDomo DataSetにインポートします。これにより、これまでに作成したCourseBuilder App関連のカードに追加されていた過去のデータを保持しながら、その過去データに新しいデータを追加できるようになります。
ユーザーは、作成した既存の全てのGoogleアナリティクスIDと、PIIを含むGoogleアナリティクスレポートからエクスポートした全ての履歴レポートに対して以下の手順を実行する必要があります。
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Data Centerに移動して [ファイル] を選択し、[ファイルアップロードコネクター]、[データを取得する] の順に選択します。
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コネクターの設定ページで、次を実行します。
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[詳細] で、パート3でエクスポートした過去のデータファイルを参照します。
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[選択] テーブルで、データをプレビューし、必要に応じてオプションを変更します。
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[プレビュー] で、全て問題がないかを再度チェックします。
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[アップデートモード] で、アップデートに関する基本設定を行います。
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[DataSetに名前を付け、説明を入力] で、「HistoricGoogleAnalytics_[自分のイニシャル]」のように、内容の分かる名前をDataSetに付けます。説明も必ず追加します(例:「2018年7月15日より前の全てのGoogleアナリティクスデータを含むDataSet」)。
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[保存] を選択します。
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パート5:新しいGoogleアナリティクスIDを作成して適用する
パート5では、個人を特定する情報を含まないトレーニングApp用に新しいGoogleアナリティクスIDを作成します。作成した個々のトレーニングAppにユニークなGoogleアナリティクスのトラッキングIDまたはプロパティを使用している場合は、必要に応じて、全てのAppに1つのIDの使用することもできます。なぜなら、CourseBuilderを使用することによって、各AppのApp名をトラッキングできるためです。したがって、個々のトレーニングApp用に個別のレポート/DataSetまたはカードを作成する場合は、Domoでフィルタリングオプションを使用して作成できます。
新しいGoogleアナリティクスのトラッキングIDまたはプロパティの設定に必要な手順、および各CourseBuilderトレーニングAppのプロパティに追加しなければならないカスタムディメンションについては、「トレーニングAppにGoogleアナリティクスのトラッキングを設定する」の記事を参照してください。
パート6:新しいGoogleアナリティクスのトラッキングIDから新しいGoogleアナリティクスレポートを作成する
パート6では、トレーニングAppデータに関連付けられた新しいGoogleアナリティクスのトラッキングIDからDomoで新しいレポートまたはDataSetを作成します。これは、以前使用していた過去のGoogleAnalytics DataSetや作成済みのPeopleStats DataSetと後で結合できます。各CourseBuilderトレーニングAppの新しいGoogleアナリティクストラッキングIDにアタッチされたGoogleアナリティクスレポートのうち、Domoに取り込むレポートに対して、この記事に概説されている以下の手順を実行します。
パート7:過去と将来のGoogleアナリティクスデータを結合する新しいDataFlowを作成する
パート7では、新しいGoogleアナリティクスデータを過去のGoogleアナリティクスデータに追加し、DomoStatsユーザーデータを新規と過去の両方のGoogleアナリティクスDataSetに結合して、DomoインスタンスでのCourseBuilderアプリユーザーの動作のトラッキングに関連するカードに情報を追加する新しいDataSetを作成します。このタスクを実行するには、次の手順を実行します。
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Data Centerに移動して、[ETL] を選択します。
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2つの入力DataSetアイコンを選択します(複数の過去と新規のGoogleアナリティクスDataSetを1つのDataSetに結合する場合はそれ以上)。
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最初の入力DataSetアイコンを選択し、「HistoricGoogleAnalytics_[自分のイニシャル]」DataSetを指定します。
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2つ目の入力DataSetアイコンで、「GoogleAnalyticsforTrainingApps_[Your Initials]」DataSetを指定します。
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[データを結合] タブで、[行を追加] アイコンを選択してドラッグします。
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[入力DataSet] アイコンの全てを [行を追加] アイコンに接続します。
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以下を実行して行を追加します。
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(1)入力 [全ての列を含める] を選択します。1つの列(「Customer Batch ID」)が削除されていることが分かりますが、問題ありません。
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[終了] を選択します。
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[データを結合] タブで、[データを結合] アイコンを選択してキャンバスにドラッグします。
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[入力DataSet] アイコンを選択し、キャンバスの [行を追加] アイコンの後にドラッグします。
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「PeopleStats」DataSetを指定します。
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[行を追加] アイコンと「PeopleStats」DataSetを [データを結合] アイコンに接続します。
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次を実行して、データを結合します。
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(1)[行を追加] を選択します。
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(1)識別列「ユーザーメール」を選択します
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(2)入力「PeopleStats」を選択します
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(2)識別列「メール」を選択します
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[他の列と一致させる] を選択します
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(1)識別列「ユーザーID」を選択します
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(2)識別列「ユーザーID」を選択します
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[結合] アイコンで、[左外側] を選択します。
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[終了] を選択します。
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[出力DataSet] アイコンを選択し、キャンバスにドラッグします。
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[データを結合] アイコンを [出力DataSet] アイコンに接続します。
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DataSetに内容の分かる名前(GoogleAnalyticswithUserInfo_[自分のイニシャル])を選択し、このDataSetをコピーし、DataFlow名フィールドに貼り付けます。これら両方のフィールドに名前を付けるまで、DataFlowは機能しません。
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同様に説明も追加します。例:「Googleアナリティクスデータとユーザーデータを結合。2018年7月15日より前の静的履歴データとその後のライブデータが含まれます」
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[保存して実行] を選択します。
全てが正しく設定されていれば、DataFlowは正常に実行されます。正常に実行されない場合は、上述の手順を確認して、それぞれの手順が可能な限り順守されていることを確認してください。
パート8:ETL DataFlowによって生成された新しい出力DataSetで既存のカードを更新する
パート8では、以前に作成したGoogleアナリティクスのレポート/DataSetからユーザー名またはユーザーメールを取得していたと考えられる既存のカードを修復します。作成した全てのカードが、DomoインスタンスでのCourseBuilderアプリユーザーの動作に関するライブデータによって引き続き情報が追加されるようにすることが目標です。変更点は、これまでカードへの情報の追加に使用していたGoogleアナリティクスレポートの代わりに、先ほど作成した出力DataSetからデータを取得する点です。次の手順を実行します。
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AnalyzerでPIIデータを含むGoogleアナリティクスDataSetを使用していた、または現在使用しているカードを開きます。
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Analyzerビューの左上にある [データ] で、カードに情報を追加する既存のDataSetを選択し、上述のパート7で作成した出力DataSet(例:「GoogleAnalyticswithUserInfo_[自分のイニシャル]」)を検索して選択します。
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この時点で、カードに必要なディメンションが不足していることを示すメッセージが表示される場合があります。これは、GoogleアナリティクスDataSetで使用されているディメンションタイトルは「ユーザーのメール」と「ユーザー名」であるのに対し、新しいDataSetのディメンション名には「メール」と「表示名」とラベル付けされているためです。これらの新しいディメンションを [ディメンション] 列からカードの該当するフィールドにドラッグすれば、カードが正常に機能するようになります。
パート9:古いGoogleアナリティクスIDを全て削除する
パート9では、CourseBuilderトレーニングAppに関連してPII(個人を特定できる情報)をトラッキングしている、またはトラッキングしていた全てのGoogleアナリティクスのトラッキングIDがGoogleアナリティクスアカウントから完全に削除されたことを確認します。確認するためには、次の手順を実行してください。
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Googleアナリティクスアカウントにログインし、ページの左下にある [管理] タブを選択します。
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アカウントを探して選択し、削除するプロパティ(またはGoogleアナリティクスのトラッキングID)をドロップダウンリストから選択します。
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[プロパティ設定] を選択します。
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このビューの右上にある [ゴミ箱に移動] を選択します。
注記: プロパティは、ゴミ箱に入れた時点から35日後に完全に削除されます。
PIIを含むCourseBuilderトレーニングAppに関連付けられている各トラッキングIDに対して上述の手順を繰り返します。
パート10:インスタンス内の全てのCourseBuilder App/カードが新しいAppに置き換えられたことを確認する
最後に、PIIに関連付けられているGoogleアナリティクスのトラッキングIDを使用している、または使用していた全てのCourseBuilder App/カードを探し、PIIをトラッキングしなくなったApp/カードに置き換えます。このチュートリアルのパート1では、PIIをトラッキングするように設定されたCourseBuilderアプリへのアクセスを削除するように求められました。まだ削除していない場合は、この時点で、Domoインスタンス内の全ての関連する場所に新しいトラッキングIDを使用する新しいAppを公開して配置します。
この手順を完了すれば、設定は全て完了です。